私の好きな料理の一つに「ちゃんこ鍋」があります。この料理の存在を知ったのは、今から30年程前になりますが、テレビの大相撲中継放送の中で紹介されていたのが最初でした。今では世間一般に親しまれている料理ですが、当時はまだ一般的な存在ではなかったようです。この放送の中で、一般家庭向けの作り方を紹介していて、一緒にテレビを観ていた母親が作り方や材料をメモ用紙に書き写していました。紹介されていた材料の中で一番印象的だったのが「鶏がら」です。鶏がらで出汁を取り、鶏がらに付いた肉も具材に使いました。つゆの味は醤油が基本で、具材は、鶏肉の肉団子、焼き豆腐、野菜(大根、人参、白菜等)が中心でした。出来上がった料理を初めて食べた時、鶏がらの出汁が効いたつゆが、味わいは濃厚なのに後味はさっぱりしていて、とても美味しかったという印象が強く残っています。加えて、具の肉団子、焼き豆腐、野菜もしっかり味が染みていましたし、鶏がらに付いた肉も美味しく頂くことが出来ました。また、残ったつゆは、うどんのつゆとして使いました。鶏がらの旨味が凝縮されたつゆは、うどんにしっかり絡み付いて、とても食べ応えがありました。テレビ放送の後、ちゃんこ鍋の存在が徐々に世間一般に広まり、様々なアレンジを加えたレシピが紹介されたりするくらいにまで親しまれるようになりました。ちゃんこ鍋の最大の特徴は、何と言っても、米類、麺類のどちらにも合うということです。鶏がらの出汁がコクと深みのある味わいを生み出し、身も心も満足させてくれます。